本当に当たる霊能者がわかる

生口が出来るイタコ

イタコの口寄せ

先祖の霊を呼ぶ

イタコは、東北地方の無形民俗文化財として、習俗的な民間信仰の役割をも担ってきました。日本がまだ貧しく、女性の社会的立場が弱かった男尊女卑の時代に、盲目や弱視の女性が自らの生活の糧として、厳しい修行によって霊力を身に付けて霊媒を職業とするイタコになったと言われています。眼が不自由な者は心眼が開くと言われ、後天的に霊能力を身に付けられるとされていたなど諸説あります。かつてのイタコは、先祖の霊や神仏の霊の口寄せを行い、寄り合いや祭りに呼ばれ、その言葉を伝えるという働きをしていました。一族の繁栄や集落が豊かになることを祈願しての、加持祈祷や占い、そして霊体を呼び寄せ自らに憑依させるという口寄せなどを行って生計を立てていたのです。

イタコの口寄せは、雅楽などの芸能文化の担い手と同じくして、梓弓(あずさゆみ)や倭琴(わごん)などの楽器を用いて霊体を呼び寄せる儀式をします。また、数多くの経文や祭文を暗記しており、歌のように唱えます。イタコの修行は、このような代々伝わる経文や祭文を師匠とするイタコのもとで全て覚え、断食や水をかぶるなどの荒行を繰り返し、五年から十年かけて免状を得るそうです。霊能者は生まれながらにしてその霊能力を持っているとされますが、イタコはこの厳しい修行の期間に口寄せのための霊力をさらに高めるといいます。

暮らしが豊かになった今日でも、イタコの存在は「神様」として大切にされており、依頼者があとを絶ちません。それはイタコが霊媒師としての霊能力だけでなく、口寄せや占いによって依頼者の不安がなくなり、精神が癒されるという現代でいうところのカウンセリング効果を期待されてのことと考えられます。

生口の霊能力を行うイタコ

イタコが口寄せで亡くなった人物の霊や神仏の霊を憑依させることは有名ですが、現在生きている人物の生霊を呼び寄せ、生霊と依頼者が直接会話をする生口を主として行うイタコも存在しています。特に青森県の陸奥地方のイタコは生口を得意とすると言われています。生霊を呼び寄せて、その霊魂と依頼者が直接話をすることで、複雑な人間関係の悩みを解決することが出来るのです。

青森陸奥・下北半島に生まれ、今も八戸市で現役のあるイタコは、母も祖母もイタコの家系で、彼女自身は歴代のイタコの中でも最もその能力が高く、霊視や縁結びなどとともに生霊の口寄せである生口を得意としています。彼女は幼いころから霊力を磨く修行とともに、人格を磨く修行も合わせて行っており、厳しい修行から何度も逃げ出したこともあるそうです。

彼女は恐山の大祭など、イタコの習俗的な部分だけを目的に来訪者が訪れるような場所には参加せず、ひたすら深い悩みに苦しむ依頼者だけに向き合ってきました。しかし、現代社会においては、恋愛や人生設計における人間関係の悩みが圧倒的に多く、そういった悩みによる自殺者もあとを絶ちません。だから彼女は生口によって、もっと多くの依頼者の問題解決をしたいと考えるようになりました。口寄せは、呼び寄せた生霊の霊魂の声を実際に依頼者が聞くことが出来るだけではなく、依頼者自身も霊魂と会話することによって自分自身の本当の心の声で話が出来るのです。

イタコの現状と電話占い

現在は、高い能力を誇るイタコと電話やメールでコンタクトを取れる時代になりました。今やイタコも一定の地方だけの活動ではなく、インターネットサイトを利用しての電話占いを通して全国的な活動を展開しています。イタコの中には、インターネットや電話に抵抗を持ちなかなか踏み切れなかったという方もいますが、より高い能力を持つイタコほど、電話占いなどのように直接会うことがなくても生口や霊視を行うことが出来ますので、イタコ独自の習俗的儀式としての意味合いの強い口寄せや占いを体感したいという動機ではなく、悩みを解決したいと切に願っている依頼者は、青森県まで移動せずとも、電話占いでイタコの生口を受けられるのです。